米シアトルで反LGBTQ+団体と市民が衝突 23人が逮捕される事態に

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2025年5月、アメリカ・シアトルのLGBTQ+コミュニティの中心地であるカル・アンダーソン公園にて、反トランス的な集会と、それに対する市民の抗議が激しく衝突し、23人が逮捕される事態となりました。イベントを主催したのは保守系キリスト教団体「Mayday USA」。これに対抗して、LGBTQ+擁護派が「宗教で私たちの体を支配しないで」と名付けたカウンター集会を開催しました。

情報元:LGBTQ Nation, “23 arrested after protestors clash with anti-LGBTQ+ group holding prayer rally in major gayborhood” 2025年5月27日
https://www.lgbtqnation.com/2025/05/23-arrested-after-protestors-clash-with-anti-lgbtq-group-holding-prayer-rally-in-major-gayborhood/

ニュースをざっくり整理すると

衝突の発端は、「Mayday USA」が全米を巡回する形で主催した集会にあります。スローガンは「子どもを守れ」で、リベラル的な性教育やトランスジェンダーの肯定を、「神が与えたアイデンティティを壊すもの」と位置づけて強く反対しています。

一方、地元の活動家らは「このようなイベントがクィア・コミュニティの中心であるカル・アンダーソン公園で開催されること自体が挑発的だ」と批判し、約500人規模のカウンター集会を開催しました。両陣営ともに500人前後の参加者を集め、現場では次第に緊張が高まっていきました。

やがて一部の参加者が警官隊に物を投げつけるなど、暴力的な衝突が発生。シアトル市では新たな条例により、催涙ガスやペッパースプレーの使用が一部認められており、警察は23人を逮捕しました。

市長は声明で「一部のアナーキストがカウンター側に紛れ込み、暴力を扇動した」と説明した一方で、「このような反トランス的なイベントが、わざわざLGBTQ+の中心地で開かれたこと自体が問題」と批判しています。

今回の出来事を受けて

市長をはじめとするシアトル市当局は、「多様性と包摂の価値を守る」と明言し、今回の混乱を重く受け止めています。イベント開催許可の手続きや場所設定の妥当性についても、今後検証するとしています。

トランスの子どもを持つ参加者の一人は、「子どもたちを守ると言いながら、実際には傷つけている」と抗議。情報の偏りや宗教的主張を用いた差別が、公共の場で現実に衝突した出来事として、多くの関心と議論を呼んでいます。

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