タリバン政権下で拘束中の若いアフガン女性2人 拷問と死刑の恐れに国際社会から懸念

事件・事故

今回の話題はこちら

2025年3月、アフガニスタンからの脱出を試みたトランスジェンダーとレズビアンの若い女性2人が、タリバン当局によって拘束されました。現在も身柄を拘束されており、「拷問を受けている」との報道が続いています。彼女たちの命に関わる深刻な状況を受けて、国際的な人権団体や支援団体が解放を求める声を上げています。

情報元:PinkNews, “Fears grow for two Afghan women being ‘tortured’ in Taliban detention”,
2025年5月9日,
https://www.thepinknews.com/2025/05/09/afghanistan-taliban-trans-women-torture-detention/

ニュースをざっくり整理すると

拘束されたのはメイヴ・アルシナ・ピエスクさん(23)とマリアム・ラヴィシュさん(19)。彼女たちは、マリアムさんの恋人であるパルウェン・フセイニさん(20)とともにイランへの脱出を図りましたが、カブール国際空港で当局により身柄を拘束されました。

報道によれば、2人はVIPターミナルで取り調べを受けた際、スマートフォンなどの個人デバイスからLGBTQ+関連のコンテンツが見つかり、同性愛と背教(イスラム教の放棄)の罪に問われています。これは、アフガニスタン国内では長期の禁固刑や手足の切断、あるいは死刑を意味する深刻なものです。両者は今後、裁判と判決を受ける見込みです。

人権団体「ロシャニヤ(Roshaniya)」の代表であるネマット・サダット氏は、「2人は毎日拷問を受けている」として、各国政府にタリバン政権への圧力と2人の解放を求めています。

メイヴさんは尋問の中でイスラム教を否定したとされ、それにより特に死刑のリスクが高まっていると懸念されています。また、トランス女性であるメイブさんは、髪を剃られたうえに、男性としての外見を強いられ、顔の毛を伸ばすよう命じられるなど、性自認を否定される扱いを受けていると報じられています。

また、マリアムさんの恋人のパルウェンさんはイランに逃れることができたものの、イランにおけるビザの期限が2025年6月に切れる予定で、「アフガニスタンへ強制送還されたら死刑になるかもしれない」と危機感を語っています。

今回の出来事から感じたこと

このニュースは、トランスジェンダーやレズビアンであるという理由だけで命の危険にさらされる現実を突きつけています。特にアフガニスタンでは、LGBTQ+であること自体が「犯罪」とされ、国際人権基準と大きくかけ離れた運用が続いています。

この記事について

本記事は、報道内容をもとに構成・編集したものであり、正確な情報については必ず情報元をご確認ください。無断転載・無断使用はお控えください。なお、引用・参照した外部報道や文章の著作権は、各情報元に帰属します。

タイトルとURLをコピーしました