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米アラバマ州で、市長と牧師を兼務していたババ・コープランド氏(49歳)が、自身の“もうひとつの姿”が報道された2日後に命を絶ちました。氏はオンライン上で「ブリッティニ・ブレア・サマーリン」という名前の女性として活動していたとされます。本人は報道後に謝罪の場を設けましたが、後に自殺。保守的な地域でのジェンダー表現をめぐる課題が浮き彫りとなりました。
1年半ほど前の事件ではありますが、異性装に関する重要事件として取り上げたいと思います。
情報元:Daily Mail, “Inside the secret life of Bubba Copeland…” 2023年11月6日
https://www.dailymail.co.uk/news/article-12719901/Inside-secret-life-Bubba-Copeland.html
ニュースをざっくり整理すると
コープランド氏は、バプテスト教会の牧師として地域に根ざし、市長としても災害復旧などの活動で高く評価されてきた人物でした。保守的な地域で信頼を集めてきた一方で、私的には“ブリッティニ”という女性の人格をネット上で表現しており、女装を「ストレス解消の趣味」と語っていました。
報道によれば、氏は過去に自身をモデルにしたフィクションをオンラインで複数公開しており、中には性的表現や、トランスフォーメーション(変身)をテーマとした作品もあったとされています。
報道が出た当日、氏は教会で「これは私の家の中で完結する趣味」「市政や信仰には関係しない」としながらも、謝罪の言葉を述べました。その2日後、警察が安否確認に訪れた際、氏は車内で拳銃自殺を図り、命を落としました。報道によりSNS上などで多数の誹謗中傷が投稿されていたようです。
今回の出来事を受けて
異性装や別人格の創作は、本人にとってはストレス解消であり、家庭内で完結する「趣味」だったと語られています。それが暴かれ、性的な内容を含むと断罪され、非難と嘲笑の的となった先に命を絶つという結末は、あまりにも重いものです。
この事件は、ジェンダー表現やLGBTQ+的要素を含む趣味が、どのように「逸脱」として扱われうるか、そして保守的な地域において社会的立場を持つ者がどれほど孤立しやすいかを示しています。
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