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2025年5月17日、スコットランド議会前で、数名のトランス女性がトップレスで抗議デモを行いました。彼女たちは英国最高裁が下した「性別の法的定義を“生物学的性”に限定する」判決に対し、悲しみ・怒り・連帯の表明として声を上げたといいます。
情報元:PinkNews, “Topless trans protest outside Holyrood a ‘public act of grief, resistance and solidarity’”, 2025年5月17日
https://www.thepinknews.com/2025/05/17/scottish-parliament-holyrood-trans-protest-supreme-court/
ニュースをざっくり整理すると
抗議に参加したトランス女性たちは、トップレスの状態で、腕を赤く塗り、口にテープを貼り、白いバラを手に持って議会前に立ちました。腕の赤は、欧州の反ファシスト・フェミニストたちとの連帯を表すもの。白いバラは英国におけるトランスの権利の「死」を象徴し、口に貼られたテープは、裁判所の判決によって「トランスの声が封じられた」ことへの抗議だとされています。
この背景には、英国最高裁が下した「“性”および“女性”の定義は生物学的性別に基づく」という判決があります。これにより、ジェンダー認識証明を取得したトランス女性であっても、法的には“女性”とみなされないという重大な影響が生じました。
その判決を受けて、スコットランド議会の施設運営を担う議会法人は、5月12日から「すべての男性用・女性用施設の利用を、生物学的性別に基づいて制限する」と発表。この措置について、スコットランドのトランス支援団体は「急ぎすぎで、非現実的」「議会への参加そのものを妨げる」と批判しています。
今回の出来事を受けて
英国最高裁の判決に基づいて新たに示されたガイドラインにより、トランス女性が女性トイレに入れず、トランス男性も男性用施設を使えないという状況が法的に正当化される危険性が指摘されています。
抗議に参加したトランス女性たちは、「トランス女性を法律上“男性”と見るなら、トップレスでいることに問題はないはずだ」と、社会の矛盾を突く形で抗議の意義を表明しました。
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