今回の話題はこちら
イギリス・ロンドン南東部バーンズベリーに暮らすポーラ・グリフィンさん(60歳)は、長年抱えてきた「誤った性別にある」という感覚と向き合えずに過ごしてきました。しかし、2017年に膀胱がんと診断されたことをきっかけに、自身がトランスジェンダー女性であることを認め、性別移行を始める決意をしました。
情報元:BBC News, “‘Cancer gave me courage to admit I am transgender’”, 2025年4月20日
https://www.bbc.com/news/articles/cj9ew4dymndo
ニュースをざっくり整理すると
ポーラさんは生まれたときに男性とされ、人生の大半を仕事中毒・飲酒・ヘビースモーカーとして過ごしてきたと語っています。しかし2017年、血尿と失禁症状をきっかけに受けた検査でステージ3の膀胱がんと診断され、治療が始まりました。
同じタイミングで姉のケリーさんが亡くなったこともあり、「人生を見直すきっかけになった」といいます。
治療後、ポーラさんは長年封じ込めていた「自分は女性である」という感覚と向き合い、たばことお酒をやめ、性別移行に踏み出しました。
移行後の彼女の人生は大きく変わりました:
- 女性サッカーチームでゴールキーパーとして活躍し、女子FAカップにも出場
- ロンドンマラソンを完走
- アンデス山脈を徒歩で踏破し、マチュピチュに到達
- モデルとして活動し、ドキュメンタリー2本に出演
「新しい自分に生まれ変わったような気持ち。30年前の自分を取り戻したようだ」と語っています。また、「新しいパスポートに『F(女性)』と書かれていた時は、感動した」とも述べています。
今回の出来事を受けて
2025年4月には、イギリス最高裁が「Equality Act(平等法)における女性の定義は生物学的性別に基づく」との判決を下しました。これにより、性別変更済みのトランス女性であっても法的に女性と認められない可能性が出てきました。
この点について、ポーラさんは「様子を見守っている」としながらも、「レイプセンターがトランス女性を受け入れないなら、それは仕方ないと思う。ただ、私は男性病棟に入るのは怖い」と率直な心情を語っています。
この記事について
本記事は、2025年4月時点のBBC報道をもとに構成・編集したものであり、一部に筆者の解釈や意見を含みます。正確な内容については、必ず情報元の記事をご確認ください。引用・参照した報道の著作権は各情報元に帰属します。