米最高裁、トランス女性のスポーツ参加禁止をめぐる審理へ 権利剥奪の瀬戸際に

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2025年7月、米国連邦最高裁判所が、トランス女性のスポーツ参加禁止をめぐる2件の州法の合憲性について審理することを発表しました。この判断は単なるスポーツ参加の是非を超え、「トランス女性が法的に女性と認められるか」を問う重大な意味を持ちます。

情報元:LGBTQ Nation, “The Supreme Court will hear trans sports ban cases, which could spell doom for trans rights” 2025年7月8日
https://www.lgbtqnation.com/2025/07/the-supreme-court-will-hear-trans-sports-ban-cases-which-could-spell-doom-for-trans-rights/

ニュースをざっくり整理すると

トランプ政権下で推し進められた「トランス排除政策」の一環としてのスポーツ参加禁止法が、複数の州で制定され、現在は連邦最高裁がこれらの合憲性を審理する段階に入っています。

この裁判では、州や連邦レベルでの「生物学的性別によるスポーツチーム参加の制限」が合憲であるかが問われます。しかし、問題はスポーツの枠にとどまらず、「トランス女性は女性として認められるのか」という根本的な権利の有無を左右しえます。

先月の「Skrmetti判決」でも見られたように、保守派判事らはトランス排除を正当化する判決を示唆しています。そのため、この裁判が、「別個だが平等」という名目でのトランスジェンダーへの新たな分離政策を、合法化する引き金になる懸念があります。

今回の出来事を受けて

スポーツは教育の一環であり、単なる娯楽以上の社会的経験と学びの場です。それを「性別」を理由に排除することは、トランスジェンダーの若者からチームで学ぶ機会や社会的つながりを奪い、孤立させることに直結します。

また、「トランス女性は女性である」という法的認知を失えば、スポーツだけでなく、医療、教育、雇用、公共サービスなど社会全体でトランスジェンダーが排除される土壌が広がりかねません。

この裁判は、米国におけるトランスジェンダーの権利の分岐点となる可能性があります。「スポーツ参加の問題は権利の問題である」ことを社会に伝えていく必要があります。

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