今回の話題はこちら
スコットランドの看護師サンディ・ペギーさんは、トランスジェンダーの医師が女性用更衣室を使っていたことに異議を唱えた結果、所属する医療機関から停職処分を受けました。ペギーさんは、自身も加入する看護師の労働組合に対し、「女性専用空間」に関する対応が一貫しているのか説明を求めています。
情報元:BBC News, “Nurse demands clarity from union over single-sex spaces” 2025年5月20日
https://www.bbc.com/news/articles/cy9qw5q9z2do
ニュースをざっくり整理すると
ペギーさんは、カーカルディ市にあるビクトリア病院で勤務中、トランスジェンダーの医師ベス・アプトン氏が女性用更衣室を使用していたことに不満を訴えました。その後、アプトン医師から「いじめ・嫌がらせの被害を受けた」との申立てがあり、ペギーさんは2023年1月に停職処分を受けます。
彼女は現在、強いストレスにより勤務を離れており、来月には重大な不正行為に関する懲戒審理を受ける予定です。
ペギーさんの弁護士は、看護師が加入する労働組合が過去にイングランドの別の病院に対し、「女性用更衣室は法律上、生物学的女性専用であるべきだ」とする書簡を送っていたことに触れたうえで、「なぜスコットランドでは同様の行動をとっていないのか」と疑問を呈しています。
また、ペギーさん側は職場復帰にあたり、「性自認にかかわらず、生物学的に男性である職員は女性用更衣室を使用しないという方針を明確にしてほしい」と求めています。さらに、「女性の組合員に影響が出ているにもかかわらず、組合が問題を取り上げてこなかったのはなぜか」と、組合の対応にも強い不満を示しています。
今回の出来事を受けて
今回の問題は、職場における性自認と身体的性別、そして個々の安心感や信頼のあり方が、時に衝突する現実を表しています。
トランスジェンダーの職員が、自分の性自認に沿った空間を使えることは、職場での尊厳を守るために欠かせない配慮です。一方で、看護師サンディ・ペギーさんのように、性別に関する空間の共有に不安や違和感を感じる人の声も、無視すべきではありません。
重要なのは、どちらかを一方的に排除するのではなく、双方が尊重される形での調整や対話の余地を持つことだと思います。すべての職員が安心して働ける環境づくりには、現場ごとの丁寧な対話と理解も不可欠だと感じます。
この記事について
本記事は、報道内容をもとに構成・編集したものであり、正確な情報については必ず情報元をご確認ください。無断転載・無断使用はお控えください。なお、引用・参照した外部報道や文章の著作権は、各情報元に帰属します。