プエルトリコ、トランス医療禁止法案が成立寸前 擁護団体は法廷闘争の構え

医療・身体

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トランスジェンダー権利の先進地域とされてきたプエルトリコで、21歳未満の性別違和医療(ジェンダー・アファーミング・ケア)を禁止する法案が議会を通過しました。現在、法案は知事の署名待ちとなっており、成立すれば親や医師への罰則も伴う深刻な内容です。トランス当事者や支援者たちは、法廷での対抗措置を準備しています。

情報元:The Advocate, “Puerto Rico trans rights advocates prepare legal fight as GOP governor considers gender-affirming care ban” 2025年7月11日
https://www.advocate.com/news/gender-affirming-care-puerto-rico

ニュースをざっくり整理すると

この法案は、21歳未満のトランスジェンダーに対するホルモン治療や思春期抑制薬などの医療を禁止し、医療従事者や保護者に対して罰金・懲役・資格停止などの制裁を科す内容です。

知事であるジェニファー・ゴンザレス・コロン氏(共和党)は、当初、思春期抑制薬の例外や継続治療中のケースを保護する修正案を提示しましたが、議会はこれを採用せず、原案のまま知事の判断に委ねる形となりました。

島内の保護者や支援団体は、医療アクセスを失う子どもたちの命が脅かされると警鐘を鳴らし、知事に対し拒否権を行使するよう求めています。

今回の出来事を受けて

この法案に対し、プエルトリコLGBTQ+連盟やGLAAD(グラード)などが強く反対を表明しています。

GLAADは、米国を拠点とするLGBTQ+支援団体で、メディア表現や差別撤廃のために活動している組織です。日本ではあまり知られていませんが、米国ではトランスや同性カップルに対する報道・法律問題への影響力が高い団体として知られています。

声明では、「この法案は命を守る医療を奪い、当事者とその家族に過酷な負担を強いる」として、強い懸念を示しました。

また、プエルトリコでは州をまたいで他地域に移動して医療を受けるという選択肢が取れないため、もしこの法案が成立すれば、多くの若者が治療手段を完全に失うことになります。

セラーノ氏(プエルトリコLGBTQ+連盟代表)は、「この闘いは長く複雑なものになるが、今ここで声を上げなければ、奪われた権利を取り戻すのはさらに困難になる」と語っています。

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