今回の話題はこちら
トランプ政権による権利剥奪の動きと、連邦最高裁の判決を受け、多くのトランスジェンダーの人々が米国での生活に限界を感じ、海外移住を計画・実行し始めています。「もう州を移動しても安全はない」と感じ、カナダやヨーロッパ、南米などへの移住先を模索する声が広がっています。
情報元:The Independent, “No state is safe: Trans people are planning to move overseas rather than live in Trump’s America” 2025年6月30日
https://www.independent.co.uk/news/world/americas/us-politics/transgender-emigration-trump-supreme-court-b2779695.html
ニュースをざっくり整理すると
2025年春、連邦最高裁は「US v Skrmetti」判決で、テネシー州などが未成年への性別適合医療を禁止する法律を合憲と認めました。この判決により、すでに進行していた米国内でのトランスジェンダー権利の後退に拍車がかかり、成人への医療禁止にもつながるのではとの不安が広がっています。
記事には、トランス女性のイザベラさんが数年準備を重ねた末にチリへ移住した事例が紹介されています。米国での過激な反トランス言説や政治家による差別発言、医療アクセスの剥奪、法的保護の後退が続く中、「生き延びるために国を離れる」という選択肢が現実のものとなっています。
移住を検討するトランスジェンダーの人々の中には、家族やコミュニティを捨てることへの葛藤を抱えながらも、自身の命と尊厳を守るために海外移住を検討する人が少なくありません。医療アクセスの確保やパスポート取得、移住先でのコミュニティ形成など、多くの準備が必要ですが、彼らは「二級市民として扱われることは受け入れられない」と語っています。
今回の出来事を受けて
アメリカでは、過去数年で25州が未成年の性別適合医療を禁止・制限する法律を成立させ、成人への医療禁止を目指す動きも見られます。保守派の政治家やメディアによる反トランスの言説が過激化する中、「民主主義が選挙独裁に変わりつつある」との声もあり、米国内で安心して暮らせなくなっている現実が浮き彫りになっています。
移住先での不安がないわけではありません。トランスジェンダー差別は世界的な問題であり、「移住先で同じことが起こらないか」という恐怖を完全に消すことはできないといいます。それでも、攻撃される恐怖から解放され、自分らしく生きることができる環境を求め、多くの人々が新たな道を選び始めています。
この記事について
本記事は、報道内容をもとに構成・編集したものであり、正確な情報については必ず情報元をご確認ください。無断転載・無断使用はお控えください。なお、引用・参照した外部報道や文章の著作権は、各情報元に帰属します。