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2025年6月、米連邦最高裁判所は、トランスジェンダー女性のスポーツ参加を制限する州法について、来期に審理することを発表しました。この判断は、トランプ政権による「女性スポーツから男性を排除する」大統領令の発令後、各州が導入したトランス排除法の合憲性を問うものです。
情報元:PinkNews, “Supreme Court Will Hear Two Cases On State Bans Of Transgender Women In Sports” 2025年6月30日
https://www.thepinknews.com/2025/07/03/supreme-court-transgender-sports-athletes/
ニュースをざっくり整理すると
2024年10月、選挙前のトランプ氏は「すべてのトランスジェンダー選手を女子スポーツから排除する」と公約し、2025年2月に大統領就任後、「女性スポーツから男性を排除する」大統領令を発令しました。
その後、メイン州のミルズ州知事がこの大統領令に従わない姿勢を示したことから、トランプ大統領は州への連邦資金停止を示唆。カリフォルニア州にも、1人のトランス高校生を理由に資金停止をちらつかせるなど、政権と州の対立が激化しています。
今回最高裁が取り上げるのは以下の2件です:
・ West Virginia v. B.P.J.(ウェストバージニア州)
・ Little v. Hecox(アイダホ州)
いずれも「生物学的性別に基づくスポーツ参加制限が合衆国憲法修正第14条の平等保護条項に違反するか」が争点です。下級審では原告勝訴で州法が差止められ、原告選手の参加が認められていました。
一方で、アリゾナ州の同様の禁止法に関する訴訟については、最高裁は審理を行わない判断を示しています。
今回の出来事を受けて
トランスジェンダー女性のスポーツ参加を制限する動きも広がり、権利後退が現実化しています。今回の最高裁審理は、トランスジェンダーの権利と「女性スポーツの保護」の名の下に進む排除の流れに対し、法的にどのような線引きがなされるかを決定づける重要な局面となります。
判決の内容次第で、米国内のトランスジェンダーを取り巻く環境がさらに厳しくなる可能性があります。今後も注視が必要な動きです。
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