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2025年6月、英国のNHS(国民保健サービス)の関連団体である「NHSコンフェデレーション」が、トランスジェンダーの人々に病院内で自認する性別のトイレ・更衣室を使うことを認めていた過去のガイドラインを公式サイトから削除していたことが判明しました。背景には、2025年4月に出された英国最高裁の判断があります。
情報元:The Independent, “NHS body revokes guidance advising hospitals to allow trans people to use chosen bathrooms” 2025年6月6日
https://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/trans-toilets-guidance-nhs-supreme-court-b2765074.html
ニュースをざっくり整理すると
撤回されたのは、トランスジェンダーの人々が病院内で自認する性別のトイレや更衣室を利用できるようにするよう推奨していた内容の指針です。NHSコンフェデレーションは、「この指針はすでに時代遅れとなっており、4月の最高裁判決を受けて削除した」と説明しています。
英国最高裁は2025年4月、平等法(Equality Act)における「女性」「性別」という語が「生物学的な女性・性別」を意味すると判断。これを受け、英政府の人権機関EHRC(平等・人権委員会)は、暫定的なガイダンスとして「トランス女性は女性用トイレや更衣室を使用すべきでない」との見解を示しました。
今回のNHS側の削除は、そうした流れに沿ったものと見られますが、トランス支援団体や人権団体からは「時期尚早かつ誤った判断」として批判が集まっています。
今回の出来事を受けて
トランスジェンダーの権利を支援する団体や法曹団体は、「今回の最高裁判決は平等法の文言解釈に限定されており、トイレの使用に関するものではない」と指摘。病院を含む施設でのトイレ提供は、別の法律で規定されているとしています。
支援団体の広報担当者は「この判断は、入院や治療を必要とするトランスの人々が、病院利用そのものを敬遠する原因になりかねない」と懸念を示しました。
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